2007.02.25
Cities / Anberlin (2007)
アメリカはフロリダ州出身のエモ/オルタナロックバンド、Anberlinの3rdアルバム。前作は確か聴いたハズなのだが正直どんなのだったかあまりよく思い出せない。しかし、逆に考えると今作がインパクトの大きい作品であったということだろう。思わせぶりなイントロ#1の後、心地よくドライブする#2やノスタルジックな温もりを持つキーボードが面白い#3など、序盤から軽快で溌剌とした曲を並べながらも浮き足立った感が無いのは訴えかける力そのものが増したからかなと思えるし、軽快な曲だけでなく#5や#9などのややシリアスな曲もそうシリアスになり過ぎることなくどこか夢見心地でやってのけるのも、やはりあくまでポップにという自分達の前方が開けている旬なバンドだからだと感じた。Voもパッと聴いた感じだとエモ的ナヨっちさを感じるものの実はかなりダイナミック、でもやはりどこか片膝を地に付けている感がありそれが楽曲に呼応しているようでなかなか聴き応えがある。個人的に一番気に入ったのは#12で、冒頭のアコギから一転してガーンとシアトリカルにかましたあとさらに聖歌隊でダメ押し、そこから余情感へと繋がるというラストに相応しい曲。エモという括りだけでなくいろんな人に聴いて欲しい作品だと思った。
Rating : 8.5/10
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2007.02.23
東京プラスチック / mynameis (2006)
>日本のハードコアバンド、mynameisの1stミニアルバム。知人から猛烈に薦められて聴いたのだが、どうしようかねコレ。サウンドスタイルはenvyに代表される所謂激情コアというやつで暗い雰囲気が全体を包んでいるものの、最近のenvyと比べるともうちょっとグチャグチャとした人間の生々しい部分が前面に出ているように思える。またカオティックな印象も薄く、この手にありがちな泣きの機能性をより一層高めたのが本作だろう。とはいっても大したインパクトも無く音だけ考えたらまあ普通に4〜5点辺りの出来なんだけど、日本語歌詞がゲロ吐きたくなるくらい強烈でした。被害妄想が強く自分では何もしないくせに文句と責任転嫁は一人前、おまけにちょっとビョーキぶりたいやつがノートの端に書いたポエムを見たような感じで気分が悪い。この作品を聴いて、そうなんだよなと頷いたり救われたと言ったりする人間が出てきそうだと思うと本当溜息出てくる。上で激情に分類されると書いたけど、このような、全てが自分の思い通りにならないからといってジタバタギャアギャアと騒ぐガキのような音楽が激情だとはどうしても思えない。
Rating : 1/10
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2007.02.18
Broadcasting... / Comeback Kid (2007)
カナダのハードコアバンド、Comeback Kidの3rdアルバム。前作「Wake the Dead」からVoが変わったということだが、前任者と比べても遜色ない感じなのでまずは一安心といったところか(逆に言えばそんなに良くなってもいない)。スタイルもそのまま、疾走感のあるオールドスクールハードコアをベースとし、メロディックでメタリックなギターを惜しげもなく絡めることでオールドスクールファンのみならずRise Aginst辺りのメタリックなメロコアファンまで取り込むことが出来るであろう作風。また、疾走一辺倒かと思いきやタイトルトラックの#2でなかなかスケールの大きさを打ち出しているし、前作・前々作を気に入った人ならば問題なく洗練作として受け入れられる作品であると思う。基本的には自分もそのクチなんだが、それはただ受け入れられるというだけであって、アルバム全体に漂う収まりの良さがどうも気になってくる。シンガロングパートにしろモッシュパートにしろ予定調和の感が否めなく、贅沢かもしれないが個人的にはもうちょっと粗さや裏切りが欲しかった。
Rating : 6.5/10
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2007.02.17
Infinity on High / Fall Out Boy (2007)
シカゴのパンクロックバンド、Fall Out Boyの4thアルバム。「俺たちはFall Out Boyじゃないんだから全部シングルカットできるようなアルバムは作らない」と言って見事に煮え切らない作品出してきたバンドが去年いたような気がするが、そんな雑音が完全に掻き消されるほど良い仕事っぷりを見せ付けてくれた。まあ全部シングルカットという言葉は確かに言い得て妙であり、非常にキャッチーな雰囲気に包まれてて聴いていて狙いどころがハッキリわかるのだが、このバンドの場合狙いすましていてもそんなにネガティブなイメージを抱かせない。それにいくら狙いをつけているといっても本作のように、本当に狙い通りに真っ直ぐ的を射抜く曲なんてそうそう次から次へと揃えられるものではないだろうからその点は素直に感心。どの曲も親しみやすいメロディに満ちており、弾むような活力と弾けるような爽快さが清々しい。かと思えば#4でしっとり感を出したりもするし幅広く薦めることが出来る作品と言えるだろう。え、何か厨臭い?関係ないと思うけどねえ。
Rating : 8/10
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2007.02.13
Named After You / Ariel Kill Him (2006)
スウェーデン出身で元Leiah、現IkalosのフロントマンDavid Lehnbergによるエモいソロプロジェクト、Ariel Kill Himの2006年発表の4thアルバム。とは言っても恥ずかしながらLeiah・Ikalosの作品をまともに聴いたことはなく、Ariel Kill Himの存在を知ったのも前作「In The Pyramid」をなんとなしに試聴して気に入ったからというものであり、この4thアルバムが発表されていたということも2007年になるまで知らなかったという体たらく。さてそんなAriel Kill Him、エモとはいっても巷に溢れる青臭いエモとは趣を異にしている。例を挙げるならばThe Gloria Recordに代表されるような電子音を交えソフトに情動を描くタイプであり、淡々と寂しさを送り出す様はElliot辺りを好きだった人にも受け入れられるかもしれない。またVoからして儚げな雰囲気を存分に出しているが、そこに透明感のある女性コーラスもかぶせることで繊細さにさらに拍車がかかっており、どこかでガラスのようと評されていたのも(好き嫌いは別として)頷ける。ただThe Gloria Recordと比べるとずっと脆弱で、しかもどこか不自然さも目立つ。作為的ともいうか、どうもか弱い僕を慰めて的オーラを身に纏おうとしているように感じられるのと、やはり前作の#7のような弾む曲がないというのがきつい。逆にそうしたオーラを許容出来る方、むしろそういうオーラが好みだという方には良い作品だとは思う。個人的には興味を持ったならまず前作を聴くことをオススメする。
あと、何か女々しくてキモいと思った方、おそらくあなたは間違っていないと思う。どうもこのDavid Lehnbergという人物は女装癖があるらしい。自分とてMyspaceの写真などを見て生理的嫌悪を覚えないわけではないが、だからといって出す音まで否定すアッー!。
Rating : 6/10
試聴は上述したMyspaceかこちらでどうぞ。
ちょっと久しぶりにThe Gloria Record聴いてみようっと。
2007.02.12
All Is Not Lost / Architect (2007)
ニューヨーク出身のハードコアバンド、Architectの1stアルバム。痛快、痛快。不穏気なイントロから一転、猛突進をブチかます#1からしてそんじょそこらのバンドとは馬力が違う。その後もシフトチェンジと激突を繰り返しながらもそのテンションは衰え知らず、暴れまくり喚き散らしの全30分という短さで潔くフィニッシュ。その展開はテクニカルかつ複雑であり所謂カオティックコアに分類されるのだろうが、丁度良いラフさがあるので複雑な展開故の喉につっかえる感が無く、衝動的な音を次から次へと聴き手の中に入り込ませる、というか強引にねじ込んでくる力技が冴えに冴え渡る快作に仕上がっている。Voも血反吐と怒気を孕み、煽情性高く存在感も十分。とりあえずテンション上げたい方にオススメしたい。高血圧の方が聴いたら頭がプッツンといきそうだけど。
Rating : 9/10
試聴はコチラ。
2007.02.09
Grandeur of Hair / The Goslings (2006)
フロリダのSoren夫妻によるノイズユニット、The Goslingsの2ndアルバム。うええ、何だよコレ。全体がベットリとした闇の重みに覆われ、音1つ1つが恐ろしく淀み、掻きむしるような怨念がそこらかしこに渦巻き、集まってうねりを生み出している。また、ノイズが目を潰され行き場を失った人間のように非常に生々しく藻掻き彷徨うのに対し、逆にVoが異様な程無機質にその存在を訴えるという倒錯した世界観も非常に強烈。これを好きになってはいけないという言葉が頭の片隅から聞こえるような気がするが、最早それすらノイズに打ち消され何がなんだかわからない内にリピートしていたように、一度捕まえられるとあとはズルズル最後まで引きずられる中毒性にも満ちている。個人的にはConvergeのスローな曲に通じるところがあるかもと思ったが、さすがにそれはこじつけってものか。そんな戯言はさておくとしても、こんなうるさくて不快な音にこの説得力は見事だと思う。
しかしこれが日常の出来事を表した音楽?一体Soren夫妻はどんな夫婦生活を送っているのだろう。独身である自分には想像もつきませんな。
Rating : 8.5/10
試聴はこちら。
2007.02.08
Cycle Repeats / Lost Eden (2007)
日本のメタルコアバンド、Lost Edenの1stアルバム。基本スタイルはAs I Lay Dying辺りの高いテンションで突っ込んでいくメタルコアで、#5などでミドルテンポもうまく見せたりと実力はすこぶる高いと思う(何かKsEっぽいけど)。ただ実力は高くとも世界中にメタルコアバンドが溢れてる状況を考えるとやはりアリガチの域を出ていない。また同じ日本のメタルコア/メロデスバンドの中で考えても、(スタイルは異なるが)MyproofやCrystal Lakeの去年発売されたアルバムが日本を曲解させそうなインパクトを備えていたのに対し、Lost Edenはどうも優等生的で面白みに欠ける。#6のショボい湿っぽさはジャパーンって感じが少ししたけどそれだけじゃあねえ。もういっそのこと個性は無いものと割り切って品質勝負に出るとしたってまあそれなりに質は高いけど、出来過ぎと評するほど出来過ぎてるわけでもないからそれもままならず。好きなタイプの音だけに中途半端さが残念な作品であった。
Rating : 4.5/10
試聴はコチラ。
2007.02.07
The Marrow of a Bone / Dir en Grey (2007)
どんなジャンルに振り分けたらいいのかよくわからんDir en Greyの6thアルバム。冗長なリーダートラックに続き、取って付けたようなヘヴィチューンの#2で聴く気を完全に無くし#3の冒頭で停止ボタン押した。うわこりゃ0点ものだと思ったのだが、少し落ち着いてもう一度流し聴きしてみるとこれはこれでこのバンドらしいなとも思えてくる。どういうことかというと、前アルバムにしろラウドパークでのライブにしろどうせ大したことないんだろうと思っていると案外聴きドコロもあるように感じられるのだが、それを踏まえてちょっとでも期待してかかると今作のようにああやっぱこんなもんかとなってしまうのである。結局のところこのバンドの立ち位置は同じであり、要は自分がネガティブな視点で臨むかポジティブな視点で臨むかによって印象が変わってしまうバンドなんだろうなと個人的に納得。アルバム全体の雰囲気としては以前よりもヘヴィ&ダークに染め上げてきてはいるが体感的な重さが伴っていない小手先の変化に留まっているのでそういう表層的な部分は正直どうでもいいし、メッセージに特に思いを巡らせるところも無い。勿論ヴィジュアル系だからどうとか言うつもりはさらさらない、自分もヴィジュアル系をよく聴いていた時期もあったし今でもそれ程抵抗を感じているわけでもない。だが視点関係なしに自分のような雑音を打ち消す強さが決定的に足りないのではないかというが率直な感想。
Rating : 3.5/10
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2007.02.06
Mechanics Of Dysfunction / Beneath The Massacre (2007)
カナダはモントリオール出身のデスメタル/グラインドコアバンド、Beneath The Massacreの1stアルバム。壮絶、と言っても過言ではないだろう。人外かとも思えるドラムを筆頭にアグレッションに満ちた音を10曲30分の中に隙間無くこれでもかという位にドッカドカとぶち込む様は無慈悲にして圧倒的。ファスト&スローな展開の振り分けにしても前EPよりその展開に無理矢理さがなくなり、気が休む暇無しの轟音に次ぐ轟音さらにまた轟音でその爆発性は本当に凄まじい。轟音以外頭に無いそのストイックな、というよりも完全に殺ることしか考えてない姿勢はまるで絨毯爆撃のようで、通った後には草木一本すら残らないまさにバンド名どおりの殲滅的な音楽と言える。当然そこに叙情なんてものが存在するはずもなく、最早ソングライティングがどうとかを問うことすら野暮に思えてくる。よって逆にそこら辺の色気を求める方には到底オススメ出来るシロモノではないが、とにかく激しい音をと望む方、特に殲滅的な音楽に対し痛快感すら覚える方になら迷うことなくオススメする。
Rating : 9/10
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2007.02.01
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