2007.06.28

Grace Will Fall / Grace Will Fall (2007)

Gracewillfall.jpgスウェーデン出身、といってもメロデスではなくハードコアバンドGrace Will Fallのデビューアルバム。

スウェーデンのハードコアっていうとRefusedなんかが思い浮かぶ人が多いかもしれないが、このバンドはちょっと趣が違うような気がする。全く前情報が無い状態で聴いたからか、捻りの無い名前とジャケットも相まってこれフロリダ産ハードコア?と思ったのだが、それくらい日本で言うところの叙情系ニュースクール、向こうでいうところのメロディックハードコアに近いタイプの音を鳴らしている。何よりまず注目するのはその猛りに猛るテンションの高さ。特にVoの迫力が凄く、怪鳥のごとき絶叫を次から次へと繰り出している。時折ノーマルVoも披露するのだが、歌い上げるのではなく吐き捨てる感じなので甘くなるようなことは無く、また畳み掛けるようなコーラスも扇情感たっぷり。そしてカオティックとまではいかないものの目まぐるしく通り過ぎる展開もインパクトが強く、その間隙を縫うように叙情系ニュースクール由来のリフがカラーリングを施している。#6から#9ににおける若い衝動で押し切る様も格好良いが、個人的には慟哭を撒き散らしながら雪崩れ込む#5や#11がお気に入り。また勢いのみの音楽と思いきや、#3や#4などにおいていきなり静寂をぶち込んできたりと小憎らしい一面も持っており作品にメリハリをつけている。ラストの#12も溜めから爆発へと繋がるこの作品らしい終わり方であり、怒涛のように過ぎる32分間の最後を飾っている。溢れ出る情を矢継ぎ早に描く、非常に刺々しく且つ生々しい一枚。Poison The Wellや、もう少しマイナーなところを挙げるとTaken、Mikoto、With Resistanceなどに魅力を感じる方には是非とオススメしたい。

Rating : 8.5/10

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Posted at 22:46 | Music Review | COM(0) | TB(0) |
2007.06.24

Deliver Us / Darkest Hour (2007)

darkesthour-deliverus2007.jpgワシントンDC出身のメタルコアバンド、Darkest Hourの5thアルバム。

Becoming The Archetypeに対しても思ったことなのだが、お前らそんなにメタル好きか?いや俺も好きだけどさ、これ聴いてると何もそこまでせんでいーだろーという気分になってくるくらいに、北欧メロデスへ傾倒どころかモロそのまんまメロデスになっちゃった。まあ過去作品ではスウェーデンまでレコーディングしに行ったり元At The Gatesのメンバーをゲストに呼んだりとかしてたので、メタルへの憧憬が半端無いというのは承知していたつもりなのだがまさかここまでやってくるとはねえ(この人達ホントにハードコアという出自を消しにかかってんじゃないかと思うくらい)。もちろん憧憬のみに留まらぬこのバンドの魅力ということで、ハードコアの前のめりな特攻性は本作でも感じられるし、強いて言うなら突き放すようなドライな質感もまだ残っているようにも思う。ただリフにしてもコーラスにしても北欧の人達に負けず劣らずベッタベタで、元来持っていた特攻性が変な方向に発揮されたような気がしないでもない。まあそれでも面白いと言えば面白いのだが、個人的には前作や前々作くらいのバランスが一番丁度良いか。とはいっても#7とか#9とかの爆走曲聴いてると沸々と湧き上がってくるものがあるのも事実だし、その他の曲も佳曲揃いで聴き応えがあった。

Rating 7.5/10

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Posted at 20:51 | Music Review | COM(0) | TB(0) |
2007.06.22

Eat Me, Drink Me / Marilyn Manson (2007)

manson6th.jpgMarilyn Mansonの6thフルアルバム。

 我らがマンソン様の約四年ぶりとなるニューアルバムなのだが…うーん、これ一体何の悪い冗談なんだろ。いやあ、何が悪いって作品として全体的につまんないんだからもう救いようが無い。リーダートラックからグダグダでこちらのテンションはだだ下がり、シングルカットされた#6だってさして良い曲だと思わないし、その他の曲も箸にも棒にも掛からん曲ばっかでほんとどうしようもない。この楽曲の非充実ぶりを前にすると"Mechanical Animals"以降の作品のアウトテイク集かよというツッコミの1つも入れたくなってくる。楽曲の不出来もさることながら、アンチクライストスーパースターを称し神はテレビの中にいると叫んでいた頃の、あの漲っていたエネルギーは一体全体何処へ拡散してしまったのだろうか。"Antichrist Superstar"の破壊力は見る影も無いし、本作では陰鬱でミドルテンポ主体の方向性を突き詰めたっていってもメロディやネガティビティのインパクトは"Mechanical Animals"に到底及んでいないしで、何というかアーティストとしての勢いを全く感じない作品に仕上がっているから実に頭垂れる。本作で目に映るのは毒気を抜かれてただヘナヘナとしおれたMarilyn Mansonで、部屋の隅で膝抱えててもどっかで光を求めてるような…ってどこぞのクサレUKロックですかアンタ。え、離婚したから?そんないちいちアーティストの家庭の事情まで気にしてられるかってんだ。個人的にはもうマンソンオワタ\(^o^)/ってことで1点。

Rating : 1/10

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Posted at 23:35 | Music Review | COM(0) | TB(0) |
2007.06.20

The Physics Of Fire / Becoming The Archetype (2007)

BTA2nd.jpgアトランタ出身のプログレデスメタルバンド、Becoming The Archetypeの2ndアルバム。

もともと他のメタルコアバンドとは一風変わって大袈裟なプログレッシヴメタルコアをやっていたBecoming The Archetypeだが、本作でさらにプログレデス路線に傾倒し仰々しさもパワーアップ。そうした路線への舵の切り具合に対しては少しやりすぎじゃないかと思えるほどだが、もともとそういうケのあるバンドだったように思うのでさして違和感は無いか。そういえば以前myspaceだかオフィシャルページだかでOpethからの影響があるようなこと言ってたような記憶があるのだが、確かに#2などにおける歌唱パートの導入を聴くとOpethを思い起こさせるところはある。しかし本家が北欧的な耽美さや陰鬱さを伝えるのに対し、こちらはゴシッキーさは感じられてもそれ以上に派手にそしてすごく下品にといろいろやっちゃってる感が強く、そこがまたえらくアメリカ式というか何というか。さらに良い意味でも悪い意味でも緩慢さや気だるさがなく、かなりドタバタした印象が強いようにも思う。一応クリスチャンバンドらしいが、隕石ドカドカ怪獣アンギャー人間あぼーんの終末思想B級映画みたいな場当たりでせわしない展開の描き方は結構好み。この分だとその内ハルマゲドンは俺らが起こすとか言い出しそうだなコイツラ。9分弱あるラストの曲にしても曲名に反して全然バランス取れてないじゃんとツッコみたくもなるほどやりすぎ感が強いし、そもそもアルバム自体食傷感があってそう何度も何度も聴けるものじゃないが、煽り方がバカっぽくて最初数回聴く分にはなかなか面白く聴くことが出来た。

Rating : 6.5/10

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Posted at 23:32 | Music Review | COM(0) | TB(0) |
2007.06.11

Tales Don't Tell Themselves / Funeral For A Friend (2007)

ffaf3rd.jpgイギリスのサウスウェールズ出身の5ピースバンド、Funeral For A Friendの3rdアルバム。

1stの頃はスクリーモバンドと呼ばれたものの、2ndではあっさり絶叫を捨ててきたFuneral For A Friend、当時巷では絶叫をやめたことで賛否両論あったかもしれない。しかし個人的には絶叫有る無しよりも、今風という路線をなぞりながらもメタリックなギターラインを強調するその姿勢に対し惹かれるものがあった。そんなことを踏まえてさあ3rdはどうなることやらと思っていたが、うーんこう来たか。方向性としてはポップでスムージィな方向に向かい、斬り付けるようなメタリックなリフは大分ぼかされてしまっている。それよりも強調されているのは歌メロだったり空間的広さだったりキーボードやコーラス。またえらくマイルドになったなあという印象だが、やはり個人的に感じていたこのバンドの魅力って、格好良く言えばメタルへの憧憬、悪く言えばメタルオタ臭さにあったように思う。本作ではそこをバッサリ切り落としてきているのでメタルオタとしてはイマイチピンとこない、それどころか一生懸命頑張って脱オタしようとしている奴を見てるようで何か冷めてしまうのだ。聴いていても耳に留まるのは#5や#7のような本作の中ではメタリックな曲だし、新機軸の曲の中でも#1なんかは良い曲だと素直に思うが後の曲は浮ついて散漫な印象が強く、心に引っかかるところがあまりない。新機軸の曲がしっかりと定着すればもっと好感触を持てるかもしれないが、このようなスムーズさだけではなくもう少しザラついた感覚が欲しかったと思うのが正直なところ。

Rating : 4.5/10

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Posted at 22:38 | Music Review | COM(1) | TB(0) |
2007.06.02

The Gods Are Traitors / Embers (2007)

embers-the_gods_are_traitors-2007.jpg同郷のよしみ故かThe Idoruとも交流があるらしい、ハンガリーのメタルコアバンド、Embersの2ndアルバム。

メタルコアと言われるとどんな音を思い浮かべるだろうか。言葉通りメタルとハードコアの重ね合わせということなのだが、最近の流れからするとストップ&ゴーの展開や、絶叫VoとクリーンVoの掛け合いなどが思い浮かぶ人が多いのではないだろうか。そうした完全に定番化したフォーマット上でいろんなバンドがしのぎを削っている中(それが良いか悪いかの議論は別として)、Embersはやや趣を異にしているように思う。ゴーの方に偏った前のめりな展開や、クリーンVoの導入もほとんどない(The IdoruのVoがゲストとして参加している#2だけ)こともさることながら、良い意味での古臭さがあるように思う。辺境の地にいるせいなのかどうなのかはわからないが、我が道を行くというよりは現在の流れから置いてけぼり喰らってるような雰囲気が漂っている。まだまだ決定的な個性に欠けた小粒感はあるし、スピードに飲まれた故かメリハリに欠ける気がするが、ギラつくギターリフをぶん回し力技で押し切る意気は素直に好感が持てる。As Hope DiesやHeartscarved辺りのストイックなメタルコアが好きだった方に対してはなかなか聴き応えがある一枚になるのではないだろうか。

Rating 7/10

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Posted at 18:03 | Music Review | COM(0) | TB(0) |