2007.07.31

Lies for the Liars / The Used (2007)

used3rd.jpgユタ州出身で、スクリーモバンドの代表格にも数えられるThe Usedの3rdアルバム。

The Usedは2ndよりも1stの方が好きという人が結構見かける気がするし、ぶっちゃけ、という程のことでもないのだが自分もそのクチ。2ndのポップでカラフルな作風よりも1stのストレートでモノクロな衝動性の方が惹かれるところが大きいというのが理由である。さてそんな前置きを踏まえて、約三年を経て発表された本作を聴いてみると基本的には2ndアルバムの延長線上にある作品であり、よりポップにキャッチーに、そしてよりガラス玉のようなチープな装飾を施して、という思いが伝わってくる仕上がりである。
ではこの作品が過去の作品に劣るものであるかというと決してそうは思わない。何故ならば本作は、2ndではやや希薄だった、勢いを強く感じることができるからである。勢いといっても初期衝動が戻ってきたということではない。もちろん#8などで顕著なように絶叫の迫力は衰えなど一切見せぬし、#1や#10でストレートな印象も受けるがこれらは初期衝動への回帰とは別物で、どちらかというと吹っ切れ(開き直りともいう)に近いものがあるように感じられないだろうか。情のぶつけ方にしても初期のどこか俯き加減で斜に構えるようであった頃と比べると、本作は真正面に見上げるような雰囲気が感じられ、今までよりも非常にストレッチが効いている。また、装飾の施し方により手段と目的とが入れ替わっているところもチラホラ見られるのだが、勢いとムードで押し切ってくるのでそんなには気にならないか。個人的には、初期は初期として好きであることに変わりは無いものの本作は本作としてがっつり聴ける作品であった。

Rating : 8.5/10

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Posted at 23:23 | Music Review | COM(0) | TB(0) |
2007.07.29

A Natural Death / Horse the Band (2007)

horsetheband.jpgロサンゼルスのカオティックハードコアバンド、Horse the Bandの3rdフルアルバム。

ニンテンドーコアとして前作・前々作がファミコン世代の心を鷲づかみにしたのかもしれないHorse the Bandの新作なのだが、これが(慣れた分を差し引いたとしても)意外と真っ当な感触。ニンテンドーコアと言われる所以のピコピコとした電子音は本作でもそこらかしこで鳴り響いているのだが、今までと比べるとクソゲーみたいな理不尽さが消え失せ、何かフツーのシューティングゲームみたいになってしまったような気がする。「何でこんなところから弾が」「この当たり判定意味わかんねえ」のような不条理な死というかゲームオーバーを突きつけられる感覚であった以前の作風と比べると、本作の「A Natural Death」というタイトルはある意味的を得ているとも言えるかも。スーファミ世代…じゃなくてHorse the Bandを初めて聴く人ならばこの作品から入るのもいいかもしれないが、論理もバランスも破綻したクソゲーコアが好きだった人にはちょっともの足りなく感じてしまうのではないだろうか。

Rating : 4.5/10

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Posted at 18:17 | Music Review | COM(3) | TB(0) |
2007.07.15

Permanence / Vassline (2007)

vassline-3rd.jpg韓国のメタルコアバンド、Vasslineの3rdアルバム。

以前に発表した日本のメタルコアバンドMyproofとのスプリットでは、Myproofがコテコテのオールドスクールなメロデスを披露したのに対し、モダンな感触で良いトコ取りなメタルコアを見せたVasslineだが、本作ではそれをさらに推し進めた格好となっている。Darkest Hour(引いてはAt The Gates)のような爆進力、Heaven Shall BurnやState Craftのようなドラマ性、Poison The Wellに代表される叙情系ニュースクール的なメロディの導入などなど、様々なバンドの影響が至る所で感じられ、きっとそうした要素とキムチと一緒に漬けたらこういう音が出来るんだろう。2ndアルバムと比べるとメタリック感が強化されており、イントロ明けの#2や終盤の#11、#12などではギラつくメタリック感とブレイヴリィに突き進む様が感じられるニダ。さらにはポップな曲調で完全にスクリーモと化している#5や、インスト曲#13など結構幅広さを見せており聴いていてなかなか面白い。ただ、そのように色んな要素を取り込むのは一向に構わぬし貪欲的とも取れようが、見ようによっては単に節操が無いだけとも取れる。そのためか聴いているときは良いのだが、その後アルバム全体として考えたときにややピントがぼけて、インパクトに欠ける感があるのは否めない。とはいえ前述した#5はポップながらも扇動感のある良曲であるし、その他の曲も(良いように言えば)Voの必死さとも相まって刹那的な魅力はある。たぶんこれを聴いてコリアンはアイゴーアイゴーと言ってるんだ、きっとそうだ。

Rating : 7/10

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Posted at 22:35 | Music Review | COM(0) | TB(0) |
2007.07.05

2007年上半期ワーストアルバム 

さてベストの次はワースト晒しです。ベストと同じように順位付けようとしたんですが、ワーストにいちいち順位なんかいらんだろとちょっと思ったので今回は思いつくまま挙げていきます。


Eat me, Drink me / Marilyn Manson
マンソンって自分にとっては思い入れの深いアーティストなんだけども、この新作を聴いてはっきりしたのは自分は道化師としてのマンソンに惹かれるものがあったのだなということ。それが仮面外して、実はボクこんな苦悩を抱えているんですとか言われてもうすら寒いだけ。こういうの好きな人って、俳優やタレントが私生活や半生について書いた本を読んで凄い感銘受けちゃう人なんだろう。

Magnetic North / Hopesfall
前作よりはマシという意見もチラホラ見られたのだが、それって擁護にしても全然擁護になってないし、結局中途半端であるということを言ってるだけなんじゃじゃないだろうか。あとやっぱりこのVoはジャガイモ臭くて合ってない気がする、Voだけの問題だけでもないけど。

Fiction / Dark Tranquility
そこらかしこの評判を目にしてもう一回聴いてみたんだけどあーやっぱコレ駄目だ。もう3点くらい点数引いてやればよかった。品質においてカイゼンにカイゼンを重ねるというトヨタの工場みたいな感触はまあ置いておくとしても、全体的にもっさりと間延びした感覚がどうも嫌い。

Take To The Skies / Enter Shikari
発売前に超新世代だとか何とか凄いハイプっぷりだったから「なんでこんなクソが」と頭に血が昇ったもんだが、発売後はコレ微妙じゃない?って意見が結構見られたので昇った血が下がったのと同時に失笑。でもやっぱクソ。いやでもクソというよりは、クソしようと思ってトイレ駆け込んだものの出てきたのはオナラだけだったというあの空虚感に近いか。サマソニのライブが悪い意味で楽しみです。

City of Echoes / Pelican
前作は良かったと思うのだが、今作はヌルくて微妙。Isisとかもそうなんだけど、こういうバンドってすぐ芸術どうたらこうたらに走るからあんまり褒めちゃいけない気がする。貶すぐらいが恨みがドロドロと集まって丁度良いような。

The Well / Waking Ashland
「ロックへの進化」ってこれほど便利で無責任で曖昧な言葉ってそうそう無いんじゃないんだろうか。「頑張れ」くらい便利で無責任。

The Phoenix Tree / Mono
それを題材にしちゃおしまいよ、という思いを込めてMonoも入れとこうか。そういや最近原爆について話すときにちょっと本音出しちゃった防衛大臣が責任とってやめちゃいましたが、ホント原爆ってこわいですねー。

The Destruction of Small Ideas / 65daysofstatic
音質どうこう言うレベルじゃねぇぞ

Threads of Life / Shadows Fall
完全になかったことにされているねコレ。ていうか俺もワースト考え出すまですっかり忘れていましたごめんなさい。そしてKsEと一緒にさようなら。

CalibanとかFear My ThoughtsとかHaste The DayとかLost Edenとかその他いろいろ
上半期の量産メタルコア。


ってなところが思い当たるところだろうか。ベストよりも文章長いのは何でだろう。

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2007.07.01

2007年上半期ベストアルバム

2007年も折り返しに入ったということで、2007年上半期ベストアルバムを晒します。

1. Versions / Poison The well
2. Redesekration / Infernal War
3. Elementary / The End
4. Cities / Anberlin
5. I Don't Care Where I Go When I Die / Gaza
6. Infinity on High / Fall Out Boy
7. Grandeur of Hair / The Goslings
8. The Four Trees / Caspian
9. Grace Will Fall / Grace Will Fall
10. Mechanics Of Dysfunction / Beneath The Massacre

[内訳]
Poison The Wellは個人的印象としては頭1つ抜けてるか。一聴して気合の入り方が前作とは違うと感じた作品。Infernal Warは何じゃこりゃー、でもかっけーみたいな。Poison The Wellの個人的思い入れ分を引き算すればトップだったかも。The Endはやっぱどっか頭使っているバンドだと思うのだけども、それ故による醜美の構築性に磨きがかかっていて。Anberlinは以前は数あるエモバンドの1つとしか考えていなかったのが、今回こんなドライブ感のある曲を並べてくるとは正直予想外。ラストの大袈裟ぶりも○。Gazaは名前の馬鹿っぽさが選出理由、でもその名前に負けないくらい危ない音出してるところが気に入った。Fall Out Boyは何か無意識で楽しめた。Goslingsは去年の作品だけどインパクトが凄いデカかったんで入れた。ポストロックから1つ選ぼうかなということで一番先に浮かんだのがCaspian。骨格がしっかりしたバンドだなと思う。Grace Will Fallは突っ走っている叙情系ニュースクールってことで好みと合致、あとはLife In Your Wayも切迫感のある音を出していて良かった。それに比べてHopesfallは…まあそれはワーストの方に議論を譲るか。Beneath The MassacreもInfernal Warと同じような選出理由なのだが、邪念に関してはInfernal Warが上かなあと思ったのでこの順位。
総評としては、期待していたバンドがコケた分に対し意外なバンドがそこを補って余りあるものを出してきたかな、という気がする。Infernal Warしかり、The Endしかり、Anberlinしかり。下半期もいつも通りダラダラ音楽聴いてダラダラレビュー書いていけたら良いなと思う。

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