2008.02.16
Great White Whale / Secret and Whisper (2008)
前身はStutterflyというポストコアバンドであったが、Voの脱退と共に名前も音楽性も変えて心機一転を図ったクリスチャンロックバンドSecret and Whisperのデビューフル。まず言えるのはStutterflyの音楽性を期待して期待して聴くと痛い目に合うだろうということ。ギザギザとしていた情の捻出はより滑らかになり、自身が抱える重みに振られるかのようであった展開はストレートなものへとなった。Stutterflyの頃には作品全体を包んでいた退廃的な雰囲気も消え去り、どこか親近感の沸く切なさへと変貌している。新任のVoも、前任と比べて儚げな魅力には欠けるが、より伸びがある分本作の雰囲気にあっているように思う。しかしただキャッチーになったわけではなく、流れるような雰囲気を醸し出しながらも要所要所でエッジを効かせた音作りをしていたり畳かける箇所があったりしてなかなかに面白い。このバンドと同じくVoが変わった後のSaosinが好きな人ならば興味深く聴けるのではないだろうか。Saosinよりはややうつむき加減な音楽性ではあるけども、逆に言えばそのような一息ついた感こそこのバンドの魅力なのかもしれない。
Rating : 7/10
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2008.02.02
Folie a Deux / Head Phones President (2007)
セーラームーンのミュージカルやデビルサマナーのドラマなど、知らないから人からすればそもそもそんなのあったんだと言う以外に他無い、マルチだかなんだかよくわからない分野で活躍しているANZA(本名:大山 アンザ)がVoを務めるへヴィロックバンド、Head Phones Presidentの4年振りとなる2ndアルバム。過去作品は筆者未聴。スタイルとしてはKornやDeftones辺りを思わせるへヴィロック。無機質で重苦しい物理的音圧に加え、閉塞感のある精神的な重さで聴き手を引きずり込むタイプと言えるだろう。そんな中で、ときには艶かしく、ときには激しく心象を吐き出すANZAのVoは存在感があり、彼女が作り出す抑揚は激しくとも歪んではおらず、むしろストレートな訴えには心を掴まれる人も少なくないだろう。演奏陣もただ重圧感だけではなくクリーンな音も出していて幅を広げようとしているのが理解できる。但し、曲そのものの面白みにはどこか欠けている。Voを中心としたネガティブな雰囲気は確かに一定の魅力を備えてはいえるが、如何せんその雰囲気を味わうだけに終始し、雰囲気モノで片付けられそうな危険性を同時に孕んでいる。個人的にはOtepやQueen Adreenaが頭をよぎったのだがそれらのバンドよりも、良く言えば鬱寄りでモノクロ、悪く言えば大人し目で単調な作品であると思う。早い話インパクト不足ということなのだが、雰囲気自体は嫌いではないので点数はやや甘めに。
そういやQueen Adreenaも今度新作出すんだっけか。
Rating : 6/10
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2008.02.01
Iconoclast / Heaven Shall Burn (2008)
ドイツのメタルコアバンド、Heaven Shall Burnの5thアルバム。メタルコアの興廃などどこ吹く風で己の道を突き進むHeaven Shall Burn、本作も聴き手に刻み付けるような作品に仕上がっている。陰りのあるメロディを強靭な肉体性で支え、さらには凶暴性で上積みし高みへと持っていくというこれまでのスタイルを堅持し、よりダイナミックにビルドアップを目指した。語弊を承知で敢えていうならば、そこにある種の気品すら漂わさせているのは流石というべきか。もちろんそれはお上品などと言う意味ではなくて、それこそジャケットに描かれているような蛮勇の風格といった意味であるのだが。個々の曲においても、"Antigone"を思わせる静かなイントロから手加減無しで無慈悲に爆発する#2、凝縮し突撃する#5や#7、閑寂と慟哭が交錯する#6など、目映い劇性に溢れたものが揃っている。ややダンサンブルな面を見せる#4や、Edge Of Sanityの『Black Tears』のカバーなどは若干浮付いた感触も受けるが、雰囲気を損なうほどではないしむしろこれはこれとして面白い。しかしやはりというか、後半においてダレるところが見られるというのも今まで通り。迫力・威圧感は申し分無いだけにそこだけが残念でならない。さらなる高みを考えると今後その辺りをどう改善していくかも気になるところではあるが、その点を差し引いても本作が格好良い作品であることに異論は無く、素直に評価をしたいと思う。
Rating : 8/10
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