2008.03.20

Float / Flogging Molly (2008)

fff.jpgデビューから一貫して酔っ払い音楽を提供するアイリッシュパンクバンドFlogging Mollyの4thフルアルバム。

彼らの2ndアルバム"Drunken Lullabies"におけるタイトルトラックやそれに続く曲聴いたときは、その酔いどれっぷりと土臭い哀愁に対し大いに惹かれたものである。続く3rdアルバム"Within A Mile Of Home"も期待に違わぬ出来であったと思う。さてそれから約4年を経て発表された本作"Float"、まず前作よりもややコンパクトにきっちりまとめてきたなというのが第一印象。基本的にやってること変わらずの、時には酔っ払ってはっちゃけ、時にはビールのようなほろ苦さを漂わせる、酒にまみれた民族パンクなのだが新鮮味とインパクトにはやや欠ける作品か。千鳥足で踊りだす#4、急にシャキッとする#5、曲終盤で酔っ払いが将棋倒しになるような#6といった、作品中盤の流れはなかなか盛り上がりを見せていて面白いのだが、全体を通すともう少し酒乱じみててもいいかなとは思った。以前から彼らの曲に慣れ親しんできた身としてはこれはこれで酒の肴としてそれなりに楽しめたが、今までFlogging Mollyを聴いたことが無い人にならこの作品ではなく、前作か前々作をオススメする。個人的には正直言って、このままいくなら次は無いなと思うことしきり。

Rating : 6/10

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Posted at 23:11 | Music Review | COM(0) | TB(0) |
2008.03.17

Inflikted / Cavalera Conspiracy (2008)

CC.jpgマックス・カヴァレラと弟のイゴール・カヴァレラによるプロジェクトバンド、Cavalera Conspiracyの1stアルバム。

祝カヴァレラ兄弟復活とのことで一部では盛り上がりを見せているCavalera Conspiracyであるが、いやこれかなり微妙じゃないだろうか。まず、緊迫感や切迫感が感じられない。パッと聴いた限りではギターもけたたましい音を鳴らしてるし、Voも気合入っているように見えるのだが、音量を上げたとしてもどこか遠くで音が鳴っているような感覚が常に付き纏うのはやはりそれらが欠けており、音が痛烈な訴えとなっていないからであろう。代わりに感じられるのはある種の閉塞感。自分の家の周りの知り尽くした道しか走らない暴走族みたいで、どこか音そのものが(音質が、ではない)暴れていても閉じ篭っている印象を受ける。こうなるともうこのアルバムを透かして、SEPULTURA時代を思い出し懐古に浸る以外に使い道が無いような気もする、過去は常に美しく見えるし。とはいってもあの時代にあったものを取り戻すのは不可能であるし、また、あの時代を基準にして考えるのは卑怯だとしても、ではこのアルバム自体が現在のデス/スラッシュ勢を押しのけて訴えかける何かを有しているとはとても思えない。もしかしたら人によってはその何かを感じ取れるのかもしれないが、少なくとも自分には遠く、閉じ篭った作品にしか感じられず、低評価を下さざるを得ない。こういう作品に大喜びして高評価を与えるほど、彼らに対して特別強い思い入れを抱いているわけでもないので。

Rating 2/10

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Posted at 23:12 | Music Review | COM(0) | TB(0) |
2008.03.15

Runaways / Life Long Tragedy (2008)

llt.jpgカリフォルニア州出身のハードコアバンド、Life Long Tragedyの2作目。過去の作品は筆者未聴。

ConvergeのJacob Bannonが管理するハードコアレーベルDeathwish Incの日本支部設立に伴い、その第一弾として発表された(本国では既に発売されている)このLife Long Tragedyの2ndフルアルバム、何とも強烈な匂いを放つ作品に仕上がっている。とはいっても他のカオティックコアやデスコア勢と比べてスピードや切れ味、破壊力といった点ではそれ程抜きん出たところがあるわけではなく、人を人と思わずに蹴散らす無機質な攻撃性は皆無と言っていいかもしれない。ただその反面、非常に人間臭い精神的なプレッシャーを与える重苦しさを備えているように思う。ひしゃげたギターは狂気を表現すると同時に深い嘆きを訴えかけ、喉を振り絞りながらもどこか諦観気味で虚脱したVoがやるせなさを一層際立たせている。モノクロームな情感を醸し出した後にいきなり胸を掻き毟り始める#1は作品全体の救えなさを予感させ、立ち止まりそして腹の底から苦痛が湧き上がってくるかのような#3は前半のハイライトと言えるだろう。途中には疾走を見せる箇所もあるが、相手を弾き飛ばすようなものではなく、自身がズタズタになっても相手を道連れにしていくような突撃の仕方で陰惨さをさらに強調。終盤になっても悲壮の色は褪せることなどなく、軋みを見せるスロウな展開から加速していく#9や、そこから一気に爆ぜて悲しみが散らばるかのような#10などもなかなかに聴き応えがある。ラストはやや長めの曲であるがそこに解放感は欠片も無くてやるせなさのみを強烈に匂わせて完結。12曲35分、急ぎ過ぎることも勿体つけることもせずにバンド名通りの惨劇を表現した力作であると思う。

Rating 8.5/10

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Posted at 23:47 | Music Review | COM(0) | TB(0) |
2008.03.14

Your Face Down Now / Hopes Die Last (2007)

hopedieslast.jpgバチカン出身という触れ込みの5ピーススクリーモバンド、Hope Dies LastによるEP。

本当かどうかはさておいて、バチカン出身というもの珍しさもあってか新進気鋭のスクリーモバンドとして注目を浴びている彼ら(今月日本盤も発売だとか)、確かに評判通りエモい伸びやかさ、Voのコンビネーション、ダイナミックな曲展開などどれを取っても及第点を超えたものを備えている。だがしかし、"上出来"という以外にこれといって特筆するところのない面白みの少なさに対し大いに不満を感じるのも確か。刺々しさとポップネスの融和を上手く果たした#3など目を見張るところもあるとは思うが、それ以上に定型から外れないアクが弱さが目立っている。結局お手本を下敷きにして写しただけのように感じられる音楽に心揺らされることがあるはずもなく、洗練性のみが終始鼻につき、悪い意味で後味が良過ぎて何も後に残らない作品であった。

Rating 2/10

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Posted at 13:23 | Music Review | COM(0) | TB(0) |